「わりゃあ、どこの子でぇ?!」
ぱりっとコートに身を包み、高倉健さん並の強面。
どこぞの○ーさんかと思い、冷や汗もので
思いつく限りの、最上級の敬語を並べ立てました・・
これが、ヤマエのひろし兄との出会い。
あれから、9年。
「なんったって、初対面で怒られたもんなぁー!」とつっつくと
赤い顔をして、「それを言うなやれぇー」と照れるひろし兄。
お酒が大好きで、ふらっと寄ってくれる。
どんなに食事をとるようにと、皿に盛っても滅多に箸をつけることはなく、なから満足すると「またな」と言ってさっさと帰ってしまう。
山の物やうまい物が手に入ると「いるか、いらんかっ!」とあの強面で入ってくる。
「そんな古くさいもん、いらんわぁー」と静子姉がかまうと「そんなら、ほかれ」と、つっけんどんに置いて帰っていく。
そうおべっか(お世辞)も言えず、粗野で言葉使いも乱暴で・・
でも、にやっと照れたあの顔はなんとも可愛らしくて・・・
憎めない人柄なんだと思う。
あの出会いのこと
「一生言ってやるでねっ!」と言ってたのに、もう言えなくなってしまった。
やっぱり、寂しい・・・